生・鏡リュウジさん2008年03月09日 21時55分14秒

 「癒しフェア」。行ったら疲れそうだし、行くだけでは癒されない(お金がかかる)し、メ新しいものはなさそうだし、など、モロモロの理由であんまり行く気はなかったのですが、先日テレビ大阪のCMで、9日のゲストは鏡リュウジさんだ!というのを知って俄然行く気に。

 なんというか、鏡さんの占いとそれを現実に生かすためのバランスのよい考え方が好きなんですよね・・・。「魔女術」という著作のなかで、「我々は、月を岩石の塊としてみる見方と、女神として見方を柔軟にスイッチすることができるのが現代の魔女ではないか」みたいな。。上手く言えないけど、彼は、見えない世界を扱っていながら、見えない世界を決して「在る」とは言い切らない。それは「分からない」というスタンスを崩さない。けれど、とても説得力があるように感じる。どうしてなんだろう。私も、彼の考え方を理解したい。見えないものを、「それは分からない」というスタンスのまま、自分の現実生活に活かすというのは、一体どういうことなのだろう???

 そんな訳で、講演会場に行ったのですが、メモや筆記用具を忘れていってしまった。隣の人は、キーワードをちゃんとメモってるのに!!聞き流すままでは、すぐに忘れてしまう!!!・・・ので、必死に聞いて、すぐに家に帰ってくれば良かったのですが、その後、やっぱり興味の赴くままにブースを巡ってしまって(収穫はビミョ~~。でも筆記用具をゲット!)、忘れかけの頭で、会場を出てからベンチで、必死に内容を思い返して書き留めました。
 そいつを、また忘れないうちに、ブログに書いとこうと思った次第です。
 でも、講演を聴いてから、紙にアウトプットするまでの2時間半の間に、少々内容が失われたり、変形したりしてしまいました・・・。
 もし、このブログを読まれた人がいれば、これは、私の脳内フィルターを通過した講演の内容なのだ・・・と思ってください。鏡さんに申し訳ないので。。

 生・鏡リュウジさんは、一番後ろの立ち見から拝見したので、あんまり細かくまではみれなかったけど、カッコよかったです。で、すごく細くて小柄でした。京都出身だそうで、たまに出す京都弁がキュートだったです。MCのお姉さんとの掛け合いのトークショーみたいな感じで、講演の題名(=テーマ)は特にないみたいでした。

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 占いブームは70年代から数えたら、「今が占いブームだ」と言われ続けながら40年くらい続いています。今日も、お天気がよくて暖かくて、外の自然の中にいたほうが癒されそうなのに、沢山の人たちが、癒しフェアに集まるということは、癒しだけじゃなくて、「何か」を探しにきてるんだろうと思います。95年のオウム事件の自粛ムードがなければ、今のような状況へは、もっと早くになっていただろうと思います。それが、良いこととか悪い事とかという価値判断は置いておいて。(占いがブームになるということは、それだけ、社会が歪んでいるのだという見られ方もある)

 占いがブーム、スピリチュアルがブームと言われるけど、占いもスピリチュアルも昔からあったもので、ブームと言うのは一面では当たっているけれども、一面ではそうではない。昔は、(ヨーロッパでは)スピリチュアルな事は教会の統制下にあって、やってはいけないこと、やるべきことがきっちり決まっていました。今みたいに個人で何かを始める人は、魔女狩りにあってしまっていました。

 今は、全てが選択できる時代になりました。選択はリスクをとるという事です。昔、大航海時代の船乗りたちは、死を覚悟で、海原に出かけて、富を得ました。でも、それは行きたい人だけが行けば良かった。だけど、今は、誰でもが、そこまでではないにせよ、自分の人生の中でリスクを背負わなければいけなくなった。

 運命とか宿命とかは、人によって色々な考え方がありますが、運命とは自分で選択していくもの。決められた運命という意味ではなく、人生の中にはいくつかの「運命的な瞬間」というものが存在します。
 深層心理学の世界などでは、運命の話をする時におとぎ話や神話を例にとることが多いのですが、おとぎ話、英語でフェアリーテイルのフェアリーとは美しい妖精という意味だけではなく、ラテン語の語源フェ(?)から、英語のフェイト=運命という意味があります。つまり、フェアリーテイルは、運命を語る物語なのです。

 今日は、眠り姫の話から、全部を語ると長くなるので一部だけですが、昔昔あるところに、子供ができなかった王様とお妃様の所にお姫様が誕生し、盛大なお祝いのパーティーを開く事になりましたが、国にいた13人の魔女、あるいは仙女(英語では、フェアリーゴッドマザー)のうち、12人にしか招待状を送りませんでした。その理由はお城に金の皿が12枚しかなかったからでした。パーティーの最中、13番目の魔女は怒って現れ、姫が15歳になったときに糸車に刺されて死ぬという呪いをかけました。

 さて、ここで出てくる金の皿は、太陽のこと。12という数は12星座、もっというと12月のこと。でも、13は、1年の中で月が満ち欠ける数。だから13は、月であり、夜であり、無意識をあらわしている。
 意識の統制の元、すべてを合理的にクリアに処理をしようと思っていても、知らず知らずに内に、13番目の魔女(=無意識)に呪いをかけられてしまっているのです。

 たとえば、本能的に嫌いな人がいるとして、その人の自分が嫌いだとおもう特徴を紙に書いて、家族や恋人など、信頼できる親しい人に見せたところ「それはあなたの特徴でもあるね」と言われるのです。その人は、あなたのシャドウ=見たくなくて隠している自分、だったりするのです。

 では、その13番目の魔女はどうしたらいいのか???これは、簡単には解決できません。考えて解決するならば、それは、12番目までの世界、太陽の世界になるからです。かといって、太陽の世界を捨てて、13番目の魔女に全てを任せてしまう・・・というのも賢い解決にはなりません。上手に13番目の魔女(無意識)と付き合いながら、12と13の間のどの地点かに、丁度良い場所をみつけていくというやり方になるのでは、ないでしょうか??

 そういう意味では、「これで全てが上手くいく!悩みがなくなる!」というような触れ込みは、アヤシイということになります。

 ところで、運命的な選択とは、一度ジャンプしてしまえば、もう後戻りができないという選択のことです。そして、それはリスクと同時にチャンスでもあります。そのリスクやチャンスが、自分の中の物語と一致している時、それは、人生が上手くいっている時です。でも、何かが違う、これは自分の運命なのだろうか??と思ったとき、内なる自分の「運命の物語」を書き換えるお手伝いをするのが占いというツールになるのだと思います。

 私は「こうすれば全てうまくいきますよ」という方法を示すことはできませんが、人が自分の運命を生きていく、見つけていくお手伝いをするというのが占いなのだと思います。

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 多分、理解し漏らしてることがあるような気がする。
 途中「前世があるかどうかだって分かりません」と言ってた。でも、どういう流れでその話が出たのかは全然分からないや・・・。

 「このやり方をすれば幸せになる」という方法を押し付けるのではなく、人生を自分で選択するための占い、とざっくりとは理解できたのですが。そしてそこが、私が鏡さんが好きだと思う理由なんだろうな~と思いました。
(だって、意に沿わない結果がでたら、言うこと聞かないもん。私)

 占いに対して、「好き」という気持ちと「不信感」と両方持っていて、自分を個人的に占う分には、無料だし、結果に沿うも沿わないも自由なので、気楽だけど、タロット習いたいとか考えてて、それは、自分のためだけではあるのですが、もし人を占う時は、この辺りの考えがグラついたらおかしなことになるので(占ってもらうときだって)、今日の話を自分なりに深めていきたいものだと思います。。